本棚の中の小宇宙

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【ネタバレ考察】神様ゲーム (講談社文庫)

※ネタバレを含みます。

 

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あらすじ・内容

神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。町が騒然とするなか謎の転校生・鈴木太郎が事件の犯人を瞬時に言い当てる。鈴 木は自称「神様」で、世の中のことは全てお見通しだというのだ。そして、鈴木の予言通り起こる殺人事件。芳雄は転校生を信じるべきか、疑うべきか?

 

 

最初は少年探偵団がネコ殺しの犯人を見つけようとする物語だが、そこに自称神様の鈴木くんが加わることにより捜査の過程をぶっ飛ばして犯人にたどり着いてしまう。

一つ目の犯人当て、二つ目の制裁、ここまでは良いとしても三つ目の制裁。

これこそが作者の罠であり挑戦である。

なぜ?どうして?そういった疑問に対して我々、読者は「神を無視し蓋然性を基に推理する」か「神に間違いなどないとして推理をする」の2択を迫られるのだ、それこそタイトルの意味する「神様ゲーム」であると思う。

 

ここに私の予想を書いていこう

犯人はやはり“母親”で間違いないと思う、神に間違いなどないのだ。

そるすると疑問になってくることがある、隠れ場所だ。

それはやはり「井戸の蓋」である、子供じゃないと隠れられないといわれているが・・・そんなことはない母親が小柄であることは文中に示されている。つまり、相当ちっちゃい合法ロリなのだろう。

そこまでの描写はないとしても神に間違いはないから、必然的に小さくなる。

 

とここまで書いてきたが、結局は神の存在を信じるか信じないかの2択なのである。

しかし、よく考えて欲しい主人公も細かい部分は無視して神はあっているという結論に至っているではないか、これは物語の舞台装置である名探偵をほかの登場人物と同じレベルまで墜としたといえるだろう。

神の前では登場人物含め我々もみな平等で掌の上で遊ばれているだけの物語なのかもしれない。